阿部 裕太よ もっと伸びろ!
全日本大学バレーボール連盟
会長 市 川 伊三夫
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高校東西対抗に選ばれ、翌年東海大学に入った頃の、あどけなさを残した裕太を思い出 して見ると、短期間によくぞここまで成長したなと感心する。たった4年間のこの大きな成長 は次の3つの要因によるものと思う。 第一は、彼の”負けず嫌い”の性格。負けた悔しさを忘れず、”いつか必ず”との執念を持 ち続けた点だろう。勝負師に欠かせない根性をしっかり持っていたことだ。”負けず嫌い”は 男の魂だ。これからも持ち続けろよ。
第二は旺盛な研究心と反省力の深さ。どんな名投手にも失投があるように、名セッターの 彼にもトスのミスはある。この反省が人より強く深い所が良い点だ。打つものの立場になって 相手が後輩でも、しきりに反省する。又あげどころはあれでよかったかどうかも。
日本が世界の強豪に負けぬバレーを完成するには早いトスによる多彩なコンビネーション が不可欠だ。トスは益々早くなるだろうが、早いトス程、裕太の手を離れる瞬間、やさしさが なければならぬ。裕太の反省そして工夫・研究がこの点を中心に、さらに完成へ近づくことを 僕は期待する。これで良いなどということはバレーにはない。行き着く先のわからない程深い ものだ。だからいつも初心者の心を持たねば。いつまでも初心を持って進み続けた者が最後 は勝つ。年齢が30になろうと40に近づこうと、この心を持つ限りセッターは進歩する。でも、 この心を忘れたら20歳でも進歩は止まる。裕太!忘れるなよ。
第三は、よき師、よき友に囲まれてきた4年間だったことだ。勝田工業の秋山監督、東海大 学の積山監督の二人は自分のチームに不利でも、いつも快く君を代表に送り出した。日本の 宝として大きく育てねばとの広い心を持った師に恵まれたこと。そして友。飯塚、酒井を始めと する同期の人や、先輩・後輩が皆、裕太を応援し続けて今日まできた。彼らはチームに裕太を もつことを誇りとしてきた。こんな温かい、すばらしい雰囲気が君を育てたのだ。人は温かい雰 囲気の中にいると、段々有り難みが判らなくなる。人間の悲しい習性だ。裕太よ、決して忘れて はならないぞ。そのような人々あっての今のお前なんだから。感謝、感謝をボールを拾ってくれ たり、君の汗の落ちたフロアーを拭いてくれる後輩にも感謝しなければな。
以上の3点、自分がここまでこられた要因を忘れることなく、更に精進しなさい。まだ22歳。 阿部裕太の現在は発展・完成への初期に過ぎない。裕太!がんばれ!世界No.1に向かって!
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